| More ... | PDB:3errタンパク質名細胞質ダイニン重鎖 微小管結合部位 生物種ハツカネズミ(マウス、Mus musculus)、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus、好熱性細菌) 生物学的役割ダイニン(dynein)はATPを加水分解しながら細胞骨格である微小管の上をマイナス端方向へと移動するモータータンパク質である。ダイニンには大きく分けて軸糸ダイニン(axonemal dynein)と細胞質ダイニン(cytoplasmic dynein)があり、軸糸ダイニンが鞭毛や繊毛の動力源となっているのに対して、ここで示す細胞質ダイニンは細胞内小胞やオルガネラの運搬、有糸分裂の際の染色体の移動などに関わっている。 立体構造の特徴
細胞質ダイニンは2量体で機能し、ATP加水分解サイクルに合わせて微小管と結合したり離れたりするのを繰り返しながら二本足で微小管上を「歩く」事によって動力を発生する。ダイニンはAAA ATPaseに分類され、6つのAAAモジュールからなるリング状の「モータードメイン」(motor domain)、N末端に存在する棒状の「ステム」(stem)、微小管結合部位を含む「ストーク」(stalk)の主に三つの部品から出来ている。ATPase活性はモータードメインのAAAモジュール1~4に存在している。「ステム」はダイニン重鎖の二量体化や中間鎖・軽鎖の結合に関っており、「ストーク」は微小管との結合に関与する。ダイニンはこの二つの領域がモータードメインから突き出した構造となっている。ここで紹介する微小管結合部位は、モータードメインから棒状に伸びたストークの先端に存在する球状ドメインである。ストークは長さ15nm程度の柔軟な逆平行コイルドコイルから成り、モータードメインと微小管結合部位を隔てている。ATP加水分解によって生じるモータードメインの変化がストークを介して微小管結合部位に伝わり、微小管結合部位の構造が変化することで微小管との結合・乖離が起こりダイニン二量体が微小管上を歩行することを可能にしていると考えられている。 ここに示されている構造はセリルtRNA合成酵素とマウスの細胞質ダイニン微小管結合部位との融合タンパク質の構造であり、2量体の状態で構造解析されたものである。また、微小管アフィニティー(親和性)実験から微小管と微小管結合部位が離れている状態の構造を反映しているであろうことが解っている。 タンパク質構造データバンク(PDB)参考文献原論文
その他
著者: 西河 洋祐 |