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PDB:2e8d

タンパク質名

K3 アミロイド線維

生物種

ヒト(Homo sapiens)

生物学的役割

ポリペプチドのモノマー(単量体)が自己会合してできるアミロイド線維(amyloid fibril)は、アモルファスの凝集体とは異なり、規則正しい線維状の超分子複合体である。アミロイドの沈着や形成過程は、アルツハイマー病、透析アミロイドーシス、II型糖尿病、パーキンソン病、プリオン病などの約40種類の疾病に深く関わっている。

アミロイド線維の構造や形成機構を理解することは、アミロイド病の予防や治療ひいては蛋白質のフォールディング(折りたたみ)とミスフォールディング(誤った折りたたみ)の研究において極めて重要である。

筆者らは透析アミロイドーシスの原因蛋白質であるβ2ミクログロブリン(β2-m)のK3断片を使用した。β2-mの酵素分解から得られるK3ペプチドは、凝集性が高く、β2-mのアミロイド原生の高い領域の一つである。本研究では、固体NMRを用いて、K3ペプチドからなるアミロイド線維の構造を決定した。

立体構造の特徴

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線維中のK3モノマーは、二本のβストランドとストランド間を結ぶ一つのループから構成されている。具体的には、βストランド(Asn21-Ser28)– ループ(Gly29-Pro32)– βストランド(Ser33-Lys40)である。さらに、βストランドは線維軸と直交する方向に積み重なって二枚の平行βシート構造を形成している(クロスβ構造)。二つのシートは水素結合や側鎖間の相互作用により安定化されており、線維軸に対して少しねじれていた。

興味深いことに、線維中のK3モノマーはβ2-mモノマーの天然構造とは異なる構造をとっていた。β2-mの天然構造において埋もれていた疎水性残基(Val27, Cys25, Leu23)は、K3線維中では溶媒に露出されていた。逆に、天然構造で露出されていた芳香族残基(Phe22、Tyr26)や極性残基(Gln24、Ser28)は、K3線維中では二つのβストランド間に埋もれていた。

K3線維の構造は分子間相互作用により安定化されている。フェニルアラニンの側鎖は、4.5–4.7 Åの距離でπ-π相互作用をしていた。加えて、シート内にあるTyr26のフェノール環もπ-π相互作用をしていた。Asn24は、隣接する分子のAsn24と "Asn ladder" と呼ばれる分子間水素結合を形成していた。

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Iwata, K. Fujiwara, T. Matsuki, Y. Akutsu, H. Takahashi, S. Naiki, H. Goto, Y.; "3D structure of amyloid protofilaments of beta2-microglobulin fragment probed by solid-state NMR"; Proc.Natl.Acad.Sci.Usa; (2006) 103:18119-18124 PubMed:17108084.

その他

著者: 李 映昊


English version:PDB:2e8d