| More ... | PDB:2d49タンパク質名キチナーゼC キチン吸着ドメイン(ChBD ChiC) 生物種放線菌(Streptomyces griseus HUT6037) 生物学的役割キチナーゼ(chitinase)はキチン(chitin)を加水分解する酵素[EC 3.2.1.14]であり、キチンを外骨格に持つ蟹、海老、昆虫などの無脊椎動物のみならず、細菌、植物、脊椎動物などにも広く存在している。キチンはN-アセチル-D-グルコサミン(N-acetyl-D-glucosamine、NAG)がβ-1,4結合した直鎖状高分子であり、それらの生物種が産するキチンは、セルロースに次いで豊富なバイオマスである。 キチナーゼはキチン分解活性ドメインのアミノ酸配列から、ファミリー18(主に細菌、菌類など)とファミリー19(主に植物)に分類されるが、放線菌 Streptomyces griseus HUT6037 由来のキチナーゼC(ChiC)は、ファミリー19に属するキチナーゼであり、高等植物以外で初めて同定されたキチナーゼである。 キチナーゼCは、全長294アミノ酸残基(31.4 kDa)からなり、キチンへの吸着能を有するキチン吸着ドメイン(ChBD ChiC, 52アミノ酸残基、Ala30-Gly81)と、キチンを加水分解するキチン分解ドメイン(CatD ChiC)の2つのドメインで構成されている。 キチナーゼCのCatD ChiCはファミリー19に属する植物由来キチナーゼのアミノ配列と相同性があるが、ChBD ChiCはファミリー18に属する細菌由来のキチナーゼやセルラーゼとアミノ酸配列の相同性を有しており、植物型キチン分解ドメインと細菌型キチン吸着ドメインのキメラ構造を持っている。 立体構造の特徴
ChBD ChiCの主鎖構造は、2本と3本の逆平行βストランド2組からなっており、CBM(carbohydrate-binding module、炭水化物結合モジュール)ファミリー5に分類される。この構造は、エンドグルカナーゼZのセルロース結合ドメイン(黒脚病菌 Pectobacterium chrysanthemi 由来のCBD EGZ、PDB:1aiw)やキチナーゼA1のキチン吸着ドメイン(Bacillus circulans WL-12由来のChBD ChiA1、PDB:1ed7)と非常によく似ている。ChBD ChiCは分子表面にキチンと相互作用する2つの芳香環を持つが、CBD EGZは3つ、ChBD ChiA1は1つも分子表面に芳香環を持たないという特徴がある。 タンパク質構造データバンク(PDB)参考文献原論文
その他著者: 赤木 謙一 |