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PDB:2GXA

タンパク質名

DNAヘリカーゼ6量体/DNA 複合体

生物種

ウシ パピローマウイルス I型

生物学的役割

パピローマウイルス(papillomavirus)はウシなどに寄生してパピローマと呼ばれるいぼを誘発するウイルスで、遺伝物質は環状2本鎖DNAの形で保持している。2本鎖DNAを複製する際、ウイルスも原核生物や真核生物と同様に2本鎖DNAを1本鎖にほどく必要があるが、そこで働くのがヘリカーゼと呼ばれる酵素である。 多くのDNAヘリカーゼは1本鎖になっている部分に結合して2本鎖をほどき始めるが、環状2本鎖DNAの場合、結合すべき1本鎖部分がない。 ここではウシ パピローマウイルス(BPV)のDNAへリカーゼであるE1蛋白質の構造を示すが、このタンパク質はSV40ウイルスのTag(PDB:1SVM)と同様に2本鎖DNAであってもほどくことができる。DNAは閉じた環状構造をとっているため、E1蛋白質は開環構造になってDNAに結合すると考えられている。

立体構造の特徴

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E1蛋白質は、6つのサブユニットが回転対称に配置したリング型の構造を取っている。このリングの穴は、2本鎖DNAは通過できず、1本鎖DNAのみが通過できる大きさになっている。それぞれのサブユニットからは、リングの穴に向かってDNAと結合するヘアピン構造が突き出ている。ヘアピンを形成するアミノ酸のうち、K506とH507がDNAとの結合部位になっている。ヘアピンは穴の中でらせん階段状に並んでいて、1本鎖DNAはこれをたどってリングを通過する。E1蛋白質のそれぞれのサブユニットの境界にはヌクレオチド結合ドメインが存在し、E1蛋白質はATP、ADP、アポ型の3状態をとる。このようなヌクレオチド結合状態の遷移に応じて、穴の中のヘアピンの高さが変化し、1本鎖DNAはリングの穴を通過していく。

fig1

図1. 1本鎖DNAと6つのE1蛋白質の複合体; 赤:DNA, 橙,黄,緑,青, 藍,紫:E1蛋白質

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Enemark, E.J. Joshua-Tor, L.; "Mechanism of DNA translocation in a replicative hexameric helicase"; Nature; (2006) 442:270-275. PubMed:16855583

その他

著者: 稲生 大輔


English version:PDB:2GXA