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PDB:1WMI

タンパク質名

毒素RelB/抗毒素RelE複合体

生物種

Pyrococcus horikoshii(好熱性古細菌)

生物学的役割

多くのバクテリアは、栄養枯渇状態になると生育を止める。すると、中には死ぬものもあるが、消費エネルギーを減らすことで栄養枯渇状態を乗り切ることができるものもいる。この生育を止める機構として、毒素-解毒タンパク質対というものが見つかっている。これらの遺伝子は同じプロモーターにより遺伝子発現が誘導されるオペロンである。通常の状態では、解毒タンパク質が毒素と複合体を形成し毒素の働きを抑制する。さらに、解毒素と毒素-解毒タンパク質複合体は、自身のオペロンのプロモーターに結合し、自身の転写を抑制する。ここに栄養枯渇などのストレスがかかると、解毒タンパク質は分解され、毒素の機能が解放される。その結果、生育の停止が起こる。大腸菌の染色体には、最低で5つの毒素-解毒タンパク質配座があることが分かっている。代表的な例として、relBE(遺伝子産物RelE、RelBはそれぞれ毒素、解毒タンパク質)が挙げられる。上で述べたような自己の転写抑制の機能に加えて、RelEはリボソームのAサイトに存在するmRNAを分解するという報告もある。 relBEのオペロンは古細菌でも保存されている。Takagiらは、DNAの配列比較から、超好熱古細菌 P. horikoshiiの2つの遺伝子、PHS103とPHS104の遺伝子産物が、大腸菌の RelB と RelE と類似していることを見出した。そこで、彼らは、PHS103、PHS104の遺伝子産物をそれぞれaRelB、aRelEと名づけた。

立体構造の特徴

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ここで示されている構造は、aRelB-aRelE複合体である。aRelB-aRelE複合体では、aRelBの鎖がaRelEの中心のβシートを包み込んだ構造が1つの単位として存在する。生理的な条件下において、aRelB-aRelE複合体は、他の転写因子と同じように2つの単位が向かい合って存在すると考えられている。両者の相互作用は水素結合と塩橋による。水素結合は、aRelBのN末端、C末端のヘリックスと、aRelEの中心に位置するβシートの間で形成される。塩橋は、aRelBのE31、D33、D35、E40とaRelEのK47、R58、R65、K81の間で形成される。しかし、塩橋を形成するアミノ酸は種間で保存されておらず、水素結合が両者の間の主な相互作用と考えられている。変異導入実験から、aRelEのRNase活性には、C末端にあるR85が最も重要な役割を果たしており、R40、L48、R58、R65も多少の影響があるということが分かった。これらのアミノ酸残基は、aRelEで正電荷に満ちた表面を形成し、aRelBとaRelEの静電的相互作用によりその表面は覆われる。ゆえに、この正電荷に満ちた表面がaRelEのRNase活性部位であり、aRelEと結合することで機能が抑制されると考えられている。

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Takagi, H. Kakuta, Y. Okada, T. Yao, M. Tanaka, I. Kimura, M.; "Crystal structure of archaeal toxin-antitoxin RelE-RelB complex with implications for toxin activity and antitoxin effects"; Nat.Struct.Mol.Biol.; (2005) 12:327-331 PubMed:15768033.

その他

著者: 稲生 大輔


English version:PDB:1WMI