| More ... | PDB:1VF5タンパク質名チトクロムb6f複合体 生物種Mastigocladus laminosus (藍藻) 生物学的役割チトクロムb6f複合体は、光合成生物のチラコイド膜に存在する膜貫通型の蛋白質複合体である。複合体の分子量は2量体あたり22万で、26本の膜貫通ヘリックスを持つ超分子構造をとっている。有酸素光合成の光合成単位は2つの大きな多分子膜複合体によって構成されている。光化学系IIでは水を分解して低エネルギーの電子を取り出し、光化学系Iでは、光エネルギーを利用して水から引き抜いた電子のエネルギー水準を上げて強力な還元剤NADPHを生産している。チトクロムb6f複合体は脂溶性のプラストキノール(PQH2)を酸化し、可溶性電子伝達蛋白質プラストシアニン(PC)またはチトクロムc6(cyt c6)を還元することで、この2つの光化学系を電気的に繋ぐ役割を担っている。また同時に、電子伝達と共役する形で、ATP合成に利用されるプロトンの濃度勾配を作るポンプの役目も果たしている。 立体構造の特徴
X線結晶構造解析により、チトクロムb6f複合体は、モノマーあたり4つの大きなサブユニット(チトクロムf、チトクロムb6、リスケ鉄硫黄蛋白質、サブユニットIV)と4つの小さなサブユニット(PetG, PetL, PetM, PetN)により構成されることがわかった。これら8つのサブユニットに加え、1つのc型ヘム鉄、2つのb型ヘム鉄、1つの新規ヘム鉄、1つの[2Fe-2S]クラスター、クロロフィルa、βカロテンを補欠分子族として含んでいることも併せて明らかになった。チトクロムb6f複合体はPQH2より2つの電子を受け取るが、一つはリスケ鉄硫黄蛋白質、チトクロムfそして可溶性蛋白質のPCやCyt c6へと伝わっていく。その際、チラコイド膜のルーメン側に2つのプロトンを放出する。PQH2から受け取る2つ目の電子はチトクロムb6に含まれる膜中の2つのb型ヘム、またはイオン性のセミキノンを介して膜のストローマ側に伝わり、膜のストローマ側からプロトンをくみ上げるのに使われる。結果的に膜を介したプロトン輸送が行われる仕組みとなっている。 タンパク質構造データバンク(PDB)参考文献原論文
その他著者: 栗栖 源嗣 |