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PDB:1SMD

タンパク質名

αアミラーゼ

生物種

ヒト

生物学的役割

食物の消化は食物が胃に到達する前、口の中ですでにその一部が始まっている。一例を挙げると、植物は炭水化物が高度に重合したでんぷんを含んでおり、そのおかげで機械的な強度を得ているが、「かむ」行為によってこの重合をいくらか壊している。ここで酵素がはたらいて化学反応によってこの炭水化物をさらに消化している。この消化過程に関わる蛋白質の中にはアミラーゼと呼ばれる酵素が含まれる。アミラーゼは口内の唾液にも腹部の膵液にも含まれる。長時間丁寧に「噛む」ことで機械的な力によって食物を破砕するだけでなく、長時間食物を唾液中のアミラーゼと反応させることで胃の中での消化活動の負担を減らすことができる。唾液中のアミラーゼは3つの異なる機能を持っているとされてきた。一つめはでんぷんを切断する酵素としてのはたらき、二つめは口内の細菌と高い親和性をもって結合すること、三つめは歯に形成される歯苔に見られることである。  

立体構造の特徴

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ヒトの唾液アミラーゼはここで見るように一本の長いポリペプチド鎖からなる単量体である。空間的に3つの異なるドメインに分けられるがそのうちの一つはとりわけ決まった構造を持たない短い領域である。したがってこの構造では2つのドメインのみが見える。一つはヘリックスに富んだ大きな球状ドメイン、もう一つはC末端近くにあり、ほとんどβストランドのみからなるドメインである。このβストランドドメインにアミラーゼの活性部位すなわち、でんぷんを分解する部位がある。また、この酵素には球状ドメインの底の部分にカルシウムイオンが一つ、中央の部分に塩素イオンが一つ結合している。

"amylase"

(図1)αアミラーゼの3つのドメイン。
Aドメイン(緑、中央):αらせんに富んだ球状ドメイン、活性部位、カルシウムイオン、塩素イオンを含む。
Bドメイン(青、下):決まった構造を持たない部位(のびた環状ドメイン)
Cドメイン(紫、上):主としてβ構造で構成されるC末端ドメイン

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Ramasubbu, N. Paloth, V. Luo, Y.G. Brayer, G.D. Levine, M.J.; "Structure of human salivary alpha-amylase at 1.6 angstrom resolution: Implications for its role in the oral cavity."; Acta Crystallogr.; (1996) D52:435-446 PubMed:15299664.

その他

著者:Arno Paehler 訳者:前田 将司


English version:PDB:1SMD