| More ... | PDB:1HQHタンパク質名アルギナーゼI/nor-NOHA 複合体 生物種ドブネズミ(ラット、Rattus norvegicus) 生物学的役割アルギナーゼIとIIは、二原子のマンガンクラスターを用いてL-アルギニンを加水分解し、その結果L-オルニチンと尿素を作り出す。アルギナーゼのこれらアイソザイムは組織分布、細胞内の局在、代謝機能に関して違いがある。アルギナーゼは一酸化窒素(NO)の生合成に利用するL-アルギニンのレベルを減少させることによってNO生合成を制御するのに重要である。アルギナーゼを阻害するとNO合成酵素の基質レベルを増加させることができ、それに伴い性的覚醒に必要な平滑筋弛緩のようにNO依存的な生理的過程を増強させることができる。それゆえにアルギナーゼは勃起不全を治療するための標的分子となり得る。アルギナーゼとNO合成酵素の制御関係はある程度双方向の関係にある。なぜならNO生合成で生ずる安定な中間体がアルギナーゼの競合的な阻害剤であるからだ。基質がアルギナーゼに対する阻害剤となることに基づいて、たくさんの基質アナログが合成され評価されてきた。 立体構造の特徴
ここに示すのはアルギナーゼIと基質となるNω-ヒドロキシ-nor-L-アルギニン(nor-NOHA)との複合体の構造である。 これらの構造からアルギナーゼが3量体を形成しており、各分子はたくさんのαヘリックスが両側に並んだ、平行な8本のストランドから成るβシートから構成されていることが分かる。 反応後の生成物が結合した、 L-オルニチンと尿素との複合体(PDBjMine:1HQG)では、L-オルニチンの水酸化物イオンが活性部位の裂け目下部に位置する2原子のマンガンを対照的に架橋している。それに対して他の複合体では基質アナログの水酸基の酸素が非対称的に架橋している。このような構造上の比較により、基質アナログの水酸基の酸素がネイティブ酵素の金属を架橋する水酸化物イオンに置き換わって非対称的に2原子のマンガンを架橋していることが明らかになった。これらの構造からアルギナーゼ触媒の反応配位についての詳細が分かっただけでなく、阻害剤が強い結合親和性を持つための構造上の決定因子に関して重要な示唆を与えられた。 タンパク質構造データバンク(PDB)参考文献原論文
その他
著者、訳者:永田 明希 |