| More ... | PDB:1GRNタンパク質名Cdc42 / Cdc42GAP 複合体 生物種ヒト(Homo sapiens) 生物学的役割Gタンパク質(GTP結合タンパク質、グアニンヌクレオチド結合タンパク質)とGタンパク質活性タンパク質(GAP) はRasスーパーファミリーに属しており、シグナル伝達系で重要な役割を担う分子である。Gタンパク質はGTP結合状態で活性型、GDP結合状態で不活性型となり、シグナルの切り替えを行う分子スイッチとして機能する。Gタンパク質は内在性のGTPアーゼ活性を利用して活性型と不活性型の切り替えを行うが、通常Gタンパク質のGTPアーゼ活性は低い。そこで、GAPがGタンパク質のGTPアーゼ加水分解活性を10万倍にまで促進することが知られているが、その詳細な分子メカニズムは明らかにされていない。 Gタンパク質はフッ化アルミニウム(AlF4-)と結合することで疑似活性状態になるということが知られており、この論文の筆者らはGタンパク質の一種であるCdc42にフッ化アルミニウムを結合させることでCdc42GAPとの複合体を誘導し、その構造を決定した。 立体構造の特徴
ここで示されているのが、Cdc42とCdc42GAPの複合体構造である。Cdc42は古典的なGドメインの折り畳み構造をとり、Cdc42GAPとはCdc42のスイッチ1、スイッチ2と呼ばれる領域と、Cdc42GAPの300〜310番目の残基からなるフィンガーループと呼ばれる領域で相互作用している。C末端は長い露出型環状構造をとるが、105番目と108番目のシステインによるジスルフィド結合と、スイッチ2を含む周囲の領域の残基との水素結合により安定化している。また、フッ化アルミニウムはCdc42の活性部位に存在し、GTP加水分解反応過程における5価遷移状態構造を擬似的に作って、Cdc42のGTPアーゼ活性に重要な役割を果たすと考えられているCdc42GAPの305番目のアルギニンと水素結合を形成している。 筆者らは305番目のアルギニンをアラニンに変異させた変異型Cdc42とCdc42GAPの複合体構造との比較を行い、305番目のアルギニンが失われるとCdc42GAPのフィンガーループが固定されず、フィンガーループとCdc42のスイッチ2領域との水素結合が弱まり、Cdc42との親和性が損なわれることを発見した。彼らは305番目のアルギニンがGTPの加水分解の過程での中間体を安定化し、また活性部位を溶媒から守ることでGTPの加水分解を促進していると主張している。 タンパク質構造データバンク(PDB)参考文献原論文
その他
著者: 日暮 美穂 |