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PDB:1GG5

タンパク質名

NAD(P)H:キノン酸化還元酵素1

生物種

ヒト(Homo sapiens)

生物学的役割

キノンとは、芳香環に二つのカルボニル基が結合した、疎水性の高い化合物群である。キノンは、電子を受容したり供与したりできる性質を持っており、酸化還元反応において電子の輸送体として働いている。生体内の化学反応で重要な役割を担っているキノンの例としては、電子伝達系におけるユビキノン、光合成プラストキノンなどが挙げられる。このようにキノンは生体に必須な物質であるが、同時に細胞毒性も強く、体内に大量に存在すると非常に危険である。ゆえに、高等生物は主に肝臓にてキノンを解毒する機構を持っている。この反応は主にNAD(P)H:quinone acceptor reductase(QR1)という酵素により触媒されている。基質のキノンは様々な配向でQR1の活性部位に結合できるため、QR1は多種類に渡るキノンの分解反応を触媒することができる。この多種類のキノンを分解するQR1の性質をうまく使うと、特定の細胞のみを攻撃できるプロドラッグを設計できる。プロドラッグとは、そのままでは不活性だが、体内の酵素により修飾または分解されることで活性化される薬剤のことである。QR1はヒトの様々な癌細胞(非小細胞肺癌、乳癌、膵臓癌、直腸癌、胃癌)に発現しているので、このような癌細胞の中でQR1による反応をうけて活性化される化合物を作れば、その組織のみを特異的に攻撃する、副作用の少ない抗癌剤として使える。

立体構造の特徴

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プロドラッグの例として、アジニジニルインドールキノン(EO9)が挙げられる。上記の構造は、EO9に結合したQR1の結晶構造である。QR1はホモ2量体でそれぞれのサブユニットは、大きな触媒ドメインと小さなC末端ドメインからなる。EO9の片側はベンゾキノン環のある触媒ドメインに結合していることがわかる。

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Faig, M. Bianchet, M.A. Winski, S. Hargreaves, R. Moody, C.J. Hudnott, A.R. Ross, D. Amzel, L.M.; "Structure-based development of anticancer drugs: complexes of NAD(P)H:quinone oxidoreductase 1 with chemotherapeutic quinones."; Structure; (2001) 9:659-667 PubMed:11587640.

その他

筆者:Ashwini Patil 訳者:稲生 大輔


English version:PDB:1GG5