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PDB:1GDT

タンパク質名

δγ解離酵素とDNAの複合体

生物種

大腸菌(Escherichia coli)

生物学的役割

すべての細胞の中にあるヒトのゲノムは約3.2×10の9乗個のヌクレオチド(伸ばせは長さ約2m)で構成されている。ヒトのゲノムについて驚くべきことは、全体のゲノムDNAのうちとても少ないDNA(たったの1.5%)がタンパク質や触媒性RNAをコードしているということである。染色体DNAのうち残りの多くの部分(約50%)は、進化の過程で徐々に染色体に蓄積された転移可能エレメントと呼ばれる短い転移可能なDNA断片で構成されている。転移可能エレメントは、1つの染色体の内部、または2つの異なる染色体の間で、位置特異的再編成によって転移される。転移可能エレメントの大きさは数100から1万ヌクレオチドまで広範囲である。ウイルス(たとえばHIV)はこの位置特異的再構成法を使って、自身のゲノムを宿主のDNAに組み込み、細菌もまた自身の活動のためにこの機構を利用する。転移にあたっては、通常、トランスポゾンにエンコードされたトランスポサーゼと呼ばれる特別な酵素が、転移可能エレメントの両端の特別なDNA配列に働きかける。まず最初にオリジナルのDNAから、それを切り出し、別の新し目標DNAに挿入する。このトランスポサーゼによる「切り貼り」の機構は未だに研究されている途中である。

立体構造の特徴

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ここに示した構造は、大腸菌のトランスポサーゼのひとつであるδγ解離酵素と、解離酵素が結合するための目印となるDNA配列をもつDNAの断片(34塩基対)の複合体である。δγ解離酵素は溶液中でホモダイマーを形成しており、res と呼ばれる目印のDNA配列を含む逆超らせん円状DNAを、二重鎖DNAの切断、DNA鎖の交換、そして再結合という過程を通して2つの独立したDNA分子に変換する。この構造ではδγ解離酵素はダイマーを形成しており、DNA断片はその間にはまっている。それぞれのサブユニットはαβフォールドN末端触媒ドメイン、3本のへリックス束でできたC末端DNA結合ドメイン、そしてそれらの2つのドメインをつなぎ合わせ、DNAのマイナーグローブに結合するための、伸びた腕状の領域を持っている。DNA断片は中央部できつく曲げられており、このマイナーグローブに対して、全体として60度の角度になっている。この構造により、DNAは切断、再結合に伴い、部分的に変性される、という仮説が提示される。

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Yang, W. Steitz, T.A.; "Crystal structure of the site-specific recombinase gamma delta resolvase complexed with a 34 bp cleavage site."; Cell; (1995) 82:193-207 PubMed:7628011.

その他

著者: 野村幸代


English version:PDB:1GDT