| More ... | PDB:1GCBタンパク質名Gal6ブレオマイシン加水分解酵素 生物種パン酵母(Saccharomyces cerevisiae) 生物学的役割ブレオマイシンは、糖ペプチド(ペプチド鎖に糖が共有結合している)であり、二重鎖DNAに結合して切断する働きを持つ。よって、がん細胞をそのDNAを壊すことによって殺すことができるため、抗がん剤として広く用いられている。 ブレオマイシン加水分解酵素(BH)は、システインプロテアーゼ(ペプチド結合を加水分解することによって蛋白質を分解する酵素で、どれも活性部位にCys残基を持っている)であり、ブレオマイシンを加水分解することによってこれらを不活性な状態にする。よって、がん細胞に高濃度のBHが存在すると、ブレオマイシン耐性ができてしまい、また、正常な細胞にBHが低濃度でしか存在しないと、ブレオマイシンを正常な組織(特に皮膚や肺)に対して有毒な状態にしてしまう。BHは原核生物、真核生物の全ての組織で発現する蛋白質であるが、その細胞内での本来の働きはまだ明らかにされていない。 Gal6は酵母由来のBHと同じ祖先から進化した蛋白質であり、DNAと結合し、Gal4調節システム(酵母由来のガラクトース分解遺伝子(GAL遺伝子)の発現とその抑制を調節するシステム)における抑制因子として働いている。BHの細胞性機能は、蛋白質分解とDNA結合の両方に関して同定が行われた。 立体構造の特徴
Gal6は、目立った中心チャネルと20Sプロテオソームに似た構成を持つ、6量体を形成する。上部に3サブユニット、下部に3サブユニットをもち、各サブユニットは触媒ドメイン(プロテアーゼ活性をもつ)、多量体形成(ホック)ドメイン、ヘリカルドメインを含んでいる。上の3サブユニットは、それぞれの下にあるサブユニットのヘリカルドメインの周りに、自身のホックドメインを巻きつけて下のサブユニットと相互作用し、ダイマーを形成している。結果として、上の3サブユニットと下の3サブユニットそれぞれの間に、3つの相互作用が生じる。各サブユニットのヘリカルドメインの一部分が、6量体の赤道から伸びている。 6つのパパイン(典型的なシステインプロテアーゼ)に似た活性部位は中心チャネルに存在しており、チャネル内には60個のリジン残基が並んでいて、DNA結合に関係していると思われる。 Gal6のC末端は活性部位のある溝へと伸び、活性調節の役割を果たしている可能性がある。DNA結合とプロテオリシス(加水分解)活性は、別々のドメインに属するというよりむしろ、タンパク質の構造上では組み合わされているのである。 タンパク質構造データバンク(PDB)参考文献原論文
その他著者: Ashwini Patil 訳者:土屋 裕子 |