| More ... | PDB:1FHAタンパク質名鉄輸送蛋白質 フェリチン のH鎖(Lys86をGlnに置き換えた変異体) 生物種ヒト(Homo sapiens) 生物学的役割鉄はヒトのからだにとって重要な因子である。DNAや蛋白質はそれ自体に鉄は含まないが、酸素貯蔵やその他の蛋白質中にあるヘムグループのような補欠因子は中心に鉄を含み、酸素を結合する。従ってトランスフェリンやフェリチンによって行われる体内での鉄貯蔵と鉄輸送は重要なことである。これらの鉄輸送蛋白質は単に1原子を運ぶだけであるが非常大きいものとなっている。しかしその構成単位はここで見せるフェリチンのように小さなものである。 立体構造の特徴
フェリチンはLタイプとHタイプの2つの異なるポリペプチド鎖が24個集まった蛋白質である。ここに示す構造はこのうちのHタイプの詳細な3次元原子モデルである。この構造は非常に単純で互いにほぼ平行な4本のヘリックスからなる。このモチーフは4本ヘリックスバンドル(four-helix bundle)と呼ばれ、1970年代にWayne Hendricksonによって最初に発見されたモチーフである。この4本のヘリックスの中のほぼ分子の中央に鉄原子がある。フェリチン中のLタイプとHタイプ鎖の数はフェリチンが鉄貯蔵に関わっているか鉄処理に関わっているかによって変わることが観察されている。なぜこのようなことが起こるのかはわかっておらず、原子レベルでの詳細な答えを求めていたが困難を伴っていた。L鎖は硫酸カドミウムを加えることで容易に結晶化されるがH鎖の結晶化はすべて失敗に終わっていた。L鎖分子とこれが結晶中で互いにどのように結合しているのかを調べることでこのH鎖の結晶化の失敗の原因がわかった。この情報をもとに遺伝子工学によってH鎖に手を加え、リジン残基をグルタミン残基へと変えた。この結果、良質の結晶が得られ、ここで見るフェリチンH鎖の構造決定に用いられた。 タンパク質構造データバンク(PDB)参考文献原論文
その他
著者:Arno Paehler 訳者:前田 将司 |